青空

　ズッコン、バッコン、ズッコン、バッコン、ズッキューン（注1）。青って、ブルーでしょ。ブルーって、距離感を感じさせる色だし、英語でblueって「 陰気な, 憂うつな, 思わしくない, しょげた」だけでなく「わいせつ」を意味する言葉でもあるけど。そういえば、青色発光ダイオードを発明した中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授（50）が、元勤務先との発明対価を巡る訴訟で遅延損害金含めて8億4391万円もらって和解した記者会見上で「日本の司法制度は腐ってる」とか「100％負け。和解に追い込まれ、怒り心頭だ」（2005年１月12日付：毎日新聞ネット版：社会ニュースより）などといきどおっているのは、たぶん、発明したのが「青い」光だった呪いかもしれないデズ。でも、青って、お天気で、太陽ポカポカで、晴れている空の色でもあるんで。青空の青さは、けっして憂鬱な色ではないし、むしろ気持ちが明るく、楽しくなる。青は、とてもいろいろな意味をもった色だ。先日、とある坂道を歩いていたら、連れ合いが「今日は空が青くてきれいだね」って言ってくれて、まあ、ちょっと嬉しかった。たしかにその時の空はとてもとても繊細なブルーで、キラキラ、透明な結晶の粒が、流体になって、風の中をとんでいるような、波のようなゆらめきin the airだった。んで、唐突にまた坂口安吾の話だけど、「青空と外套」って、冬の青空の下、着衣したまま行為する短編小説がある。そういう時、ふと見上げる青空って、なんか、とてもせつなくて、妙に青い。青といえば、海とか水も青い。それをつつむ、大気も青い。青は聖なる色。青は無限の距離の色。いつか、自分は、青になり、青に帰っていく。

注1：http://listening.sub.jp/before/shuffle/shuffle_002.mp3
VIVA!!!! SHUFFLE!!!（たかはしさま謹製）
http://listening.sub.jp/before/shuffle/index.html