悪しき母

HelloTaro2005-03-24

小学校高学年の時に「植物人間」という単語を聞いた時、勝手に植物になった人間、、、つまり怪獣大百科にモノクロ写真で小さくのっていたマタンゴ化した人間や、仮面ライダーアマゾン系のビジュアルを想像していた。「植物人間」という言葉を口にするだけで、なにかいけないことをしたかのような不思議な気持ちになった。その頃、日経新聞かどっかの日曜版でカラー印刷されたセガンティーニの絵を見た瞬間「これだ!!!」と思った。冬の雑木林や栗林でみかける、昆虫のマユのような成熟した女性像。かなりショッキングで、その後、15年ほどその絵の切り抜きを持っていたが、最後は壁に貼った状態で、紙がポロポロと砕けていって、無くなってしまった。

Giovanni Segantini, Le cattive madri, 1894(部分:Vienna Kunsthistorisches Museum)
実はいまでも「植物人間」というと、この絵を連想する。かつて快楽のために堕胎した赤ちゃんの霊が、樹木となって母の身体を拘束。雪景色の中に植物の根っこでマユのようにしばりつけられながらも、我が子に乳を吸われ、うっとりと目をつむる悪い母(の表情はなんてエロティックなんだろうか?)。だれか実写で映画化してほしいイメージの一つ。である。

Helloデジオstupidity:Hell070:花の名前
http://easy.dedio.jp/home/stupidity/media/blog/main/2005/03/radio_24_234235.mp3
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デジオの宇宙色々: http://dedio.jp/