ジョルジュ・ラ・トゥール

美しい日曜日。洗濯物を取り入れた後、上野国立西洋美術館にジョルジュ・ラ・トゥールの大回顧展に行く。
ラ・トゥールっていうと、夜の絵画という印象があり、もちろん、それらは素晴らしいのですが、しかし昼の絵画といわれるフラットな光の人物描写もおもろい。
技巧的に上手いとか、下手とかいろいろあるけど、ちょっとレベルが違う。
素材の生のテクスチャーを残しながら写実的である、圧倒的な筆の存在感。真作、ラ・トゥールの工房作(息子含む)、後世の模写、全部ちがう。真作は、まるでドキュメントのように、上質な麻布のように、なめらかでざっくりした肌触り、ざらついた目の余韻が楽しめる。これは図版ではなく、本物をまとめて見ないと解らない。みんな会社や学校をさぼって行く価値あると思う。来週いっぱい5/29で終わってしまうよ。あと、ヘッドフォン式の音声ガイド(利用料:500円)って、初めて使ったけど楽です。昔は自分で調べる時間と余裕と「そんなものはいらないぜオレは」という見栄があったけど。200円のカタログ図版割引券もついていたので、ちょっとうれしい。
チョットでも絵画に興味ある全ての方におすすめします。
http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200411024304-1.htm
あと、常設展示の企画室でマックス・クリンガーの版画連作も展示してあって、これも楽しめた。前に同じ作品を何度か見た記憶があるけど、描かれたモチーフの象徴的な意味などの解説プレートが個別に準備してあり、大変にわかりやすい。これからの美術キューレターは、象徴解説能力とそれを一般的な観衆にわかりやすく伝える才能で判別・淘汰されていくのだろうなぁ。傾向として。