050527YO LA TENGO

HelloTaro2005-05-27

渋谷クアトロにYO LA TENGOライブに行く。ファーストから3rdまでは、ほぼリアルタイムでCDを買っていたが、その後レイブとテクノに熱中しすぎて10年ぐらい追いかけていなかった。でも、ずっと気になっていたバンド。
演奏が始まると、しばらくはゆるゆるとCDのイメージ通りの展開で「3人とも老けたなぁ」などと自分のことを棚に上げて聞いていた。10曲ほどプレイした後、メインボーカル&ギターのIraが「演奏しっぱなしで疲れちゃうからブレイクが必要」とかいってギターを置いた。そしてキーボード用のマイクスタンドをずらし、ステージの一番前に立つと、同様にステージ前方に立ったベースのJamesとドラムのGeorgiaが二人でヘンテコなシンクロ・ダンスを始め、カラオケでNothing But You And Meのコーラスを歌い出す。汗だくな太め眼鏡のJamesに対して、Georgiaが踊りながらB・キートン風にニコリともしないのが印象的。次のSugercubeからBig Day Coming、Blue Line Swinger に行く流れで、気がついたら頭の中が光で渦巻くような、激しいイメージの奔流が訪れて、狂ったように頭を振って踊りまくっていた。
YO LA TENGOって、基本的に夜明けの音楽だと思う。闇がゆっくり変化して、朝になっていくような。晴れた朝、雨の朝、嵐の朝、曇りの朝、不安の朝、初めて一緒に過ごした朝、いろいろな朝があるけど、闇から朝への変化は、基本的に光の訪れを予感させる、楽しいものだ。救済のある、明るいメロディと、広がっていくコーラス。そこが他のノイジーなインディーバンドとの決定的な違いかもしれない。自分の生涯ライブ体験の中でもIraが頭をグルグルバンキングしながらエレピを殴り弾くBig Day Comingはベストの部類に入る名演奏だった。
あと、Jamesのベース以外は、ドラム、リードギター、キーボード、コーラス、メインボーカル、全てが入れ替わって交代で演奏していたのが面白い。なんだか自宅録音世代的な器用さも含めて、良い意味でThe Velvet Undergroundの持っていたざらざらとした触感を東海岸の伝統演芸のように残しつつ、クールで中産階級な狂気を体現しているタフなバンドだなぁ。と、かなり好印象。Sonic youthPixiesNirvanaDinosaur Jrやその周辺の音を追いかけまくっていた頃を思い出しつつ、ちょっとだけセンチな気分でTシャツまで買ってしまい、楽しかったです。

YO LA TENGO:
Official Site: http://www.yolatengo.com/
"The Love Life of the Octopus" http://www.yolatengo.com/audio/lovelife.mp3

Matador: http://www.matadorrecords.com/yo_la_tengo/music.html
Tom Courtenay&Sugarcube(爆笑)のビデオが観られます。

Yo la Tengo YOU CAN HAVE IT ALL(日本語ファンサイト)
http://www12.plala.or.jp/youcanhaveitall/