カマドウマ

気がつくと悪霊にとりつかれたようだ。ハナがむずむずする。
ずーっとすってー、はいてー、すってー、はいてーを繰り返していると、ハナのアナからなんだかミドリのモノが見える。つまんでひっぱりだすと大きなトカゲだった。
あ、そして鼻だと思っていたのは花であった。
いつのまにか、顔のドまんなかからケイトウのアカい花が七あるいは八本咲いており、そのあいだから大トカゲが出てきたのだ。花々が目の前で殴られた直後のように赤くチラチラ点滅したように見えるので引っこ抜いたら、顔面に穴があいた。
穴の奥をのぞき込むと、まるで30年ほど使わずに放置された武蔵野郊外の農家の庭先にある井戸のように、時間の停止した暗闇が広がっており、出来心でその辺りに落ちていたコカコーラの空き缶を投げ入れると、中から無数のカマドウマが飛び出てきた。いったい何匹いるのだろうか、ためしにGooogleで「カマドウマ」とググッてみると、日本語のページ約35,600件がヒット。ちなみにイメージは約312件と意外に少ない。
みるみるうちに世界中でたった一つの遺伝子を持つキミがそれぞれ美しい花を咲かせている間にもカマドウマは増え続けている。楽天への就任が噂されている野村元監督のコメントはそれでも「周りがえらい騒いどるだけやがなぁ」と肩すかし。しかしその瞬間も巨大化したカマドウマ達が東京中の闇を徘徊している。わーいわーいリアル円谷映画!!
と思ったら、ミドリのトカゲがあっという間にカマドウマ達をぺろりと平らげて、おいらの顔のブラックホールの中にわしわしと戻っていった。闇から生まれたモノは闇にかえる宿命なのか!! おかえり&おやすみマーヤ。そして元刑務所に隣接した下町に太陽と平和と工業高校&セツモードセミナーが戻ってきたゾゥ。ウッシッッィ!!
今日の教訓。スランプの時、面白い文章は絶対に書けないことを実証するのはどうなんだろう。そして合掌(プゥ〜!!)。