厚顔not紅顔

HelloTaro2006-03-24

仕事で使う資料のネタ仕入れに渋谷の街をうろうろ。パルコ地下のブックセンターで雑誌など6000円ほど購入。新しいビジュアルやデザインの本を横目で眺めると、即座に「紙とインクのムダ」と思ってしまうアパシー&ニヒルな中年男の自分を自覚したりしなかったり。そんなムダな印刷物の製作に荷担しているという認識はあるんだけど。そういえば20年ほど前、非常にこじんまりと居心地がよく、ソファなどもあった、渋谷パルコの洋書店ロゴス・海外美術書コーナーの全ての画集を約1年かけて立ち読みしたことがある。当時は東京郊外の田舎に住んでいる高校生だったから当然ながら電車賃ぐらいしかお金が無くって、そしてバカで厚顔(not紅顔)でヒマだったから出来たこと。店員さんも優しかった。当時の約4~5倍の広いスペースで展開している今のロゴスの棚を眺めると、実は版元や版形が変わっても基本となる古典のネタは全て同じなんだよね。
帰り道、バス停側の本屋で、別に「鋼の錬金術師」13巻(荒川弘著)を購入。現在、買ってまで読みたいマンガは非常に少ないのだが、この作品はとにかく素晴らしい。特に13巻は呪縛に呪われ嗚咽しながら、とにかく前に進んでikuグルーヴが炸裂。10巻ぐらいからアニメ版(これはこれで、特に中盤から後半にかけて素晴らしい演出だった)のストーリーとは全く異なる世界に飛び込んでいき、グズグズと停滞していた印象もあったが、そのグズドロとしたタメが一気に爆発し、さらなる闇の深みに捕らわれていくような、そんな「よい子の地獄巡り」が楽しめる傑作。
夜中に沖縄のとある島に住む友人から電話。もうすっかり観光客でいっぱいで、めちゃくちゃ忙しいということ。
「今の人は、一人で旅していても携帯とかでズルズル日常とつながっているから、せっかくの哲学するチャンスを自分で捨てているんだよね」
と、真面目に憤る友人の口調が面白くて大笑い。明日の日中は晴れのち曇りの予想。なぜか自転車に乗れないと心がちょっと鬱になる、雨のち花曇りの日々。