共鳴

HelloTaro2008-06-04

 気がつくと真夜中過ぎの会社で1人でシコシコ入稿データ作り。もーかえろと思ったら、外はやっぱり雨で終電のがしちまった。会社にチャリおきっぱにしているんだけど、ノートパソコンを筆頭に電子機器たんまり入れたリュックじゃ浸水が怖いし。
 ひさしぶりに真夜中タクる。
 「車少ないみたいっすね」
 「ガソリン代のあれがあるからね」
 「でも、日本は産油国でないのに安すぎたんですよ」
 「そうですね。こういっちゃなんですけど、車を運転する資格がない連中もいてね。もう事故なんか起こしても、自分の責任でない、保険でって逃げちゃう」 
 白髪の60代の運転手さんによると、3年ほど前、お客を降ろすために停車中、公道で2トントラックを運転していた20代前半の若者に追突されたという。若者は同僚と配達の競争レースをしていたらしく、ブレーキ無しで衝突。むち打ちで入院したのにもかかわらず、当事者の若者はもちろん、そのトラックを所有する運送会社の上司まで、電話一本無し、いっさい謝罪をしなかったという。
 「いやね、お客さん。警察の人が入院中に訴訟にするか訪ねてきたんですけど、いつもは事故を起こしたくて起こす人はいないって、性善説でいるんですよわたしは。でもね、自分のタクシーは前はプロパンガスが燃料で、そのタンクに深い傷が入るほどの衝突だった。もうすこしで火だるまの大事故ですよ。それで保険屋だけよこして、本人は謝罪しないって、これは運転する資格はないですよね」
 小雨の中、タクシーは、普段より500円ぐらい安く、予想より5分ぐらい早く到着。
 「事故も、やっぱり人と人の、ふれあいなんですよ。トラックに追突された直後、降ろしたばかりのお客さんが心配してすぐに駆けつけてくれて、本当に感謝しています。でも、やっぱり電話の一本もよこさないんじゃ、運転する資格はないです。しかも相手は運転のプロっていうんですから…」