ノロイ

新宿・歌舞伎街にてロードショー鑑賞。シートが古くてヘタっていたのがナンだったけど、おもしろい。非常に良くできたホラー映画。
平安末期に西国から現在の長野県某所にやってきた呪術師血族集団が鎌倉時代に生み出した「禍具魂(かぐたば)」という呪術と、その再生・時空を超えた伝播・伝承がテーマ。四国のいざなぎ流や諏訪信仰など、現実の呪術関連キーワードを連想させる、ディープな世界に潜入していく手法と設定は素晴らしい。
特にテレビ画面、ビデオ画面、16mmフィルムなどの画像のテクスチャーの使い分け方や、小松和彦先生の呪術本など想起させる資料文献や古い絵巻(これは絶品。公式サイト=>物語=>「鬼祭とは」で画像を見られます)などの小道具のリアリティが絶妙。
しかし、誰にでも勧められるか? というと、あまりにもマニアック。物語はかなりロジカルだが、それを予備知識の無い観客が理解するための説明は少ない。
テレビバラエティ番組の裏話的なエピソードなど、一部キッチュな演出が、それらの欠点を補えるかというと疑問だけど、でもよかった。個人的にはヒット作。
http://www.no-ro-i.jp/