固いモノ

今は昔。レンタル屋が台頭する1980年代上旬から後半以前まで。最も少ないコストで高音質な音楽を聴く方法は、ラジオのFM放送をエアチェックすることでした。
ラジオプログラムの曲目タイムテーブルが掲載された専門のFM雑誌というものが、当時は人気でして、これをチェックして、どうしても欲しい曲の場合にはカセットテープを準備して、欲しい曲の時にタイミングを合わせて録音していたんですね。
NHK FM坂本龍一サウンドストリートとか、その後のクロスオーバーイレブンとか、めっちゃ聞いたなぁ。
自分がよく立ち読みしたり、余裕がある時は購入していたのが、小学館の「FMレコパル」。安かったから。広告が一杯入っていたけど。
一応、音楽系専門誌ということで、読者のオーディオ装置を専門家が測定機器を持って訪問、そのシステムを評価する「リスニングルーム診断」という連載がありまして、手の届かない高嶺の花のお話として読んでいました。で、なぜか、板張りの地下室で、超高級舶来オーディオが鎮座している部屋よりも、畳敷きの和室にコンクリートブロックをしいて、その上に国産スピーカーをのせていたりして。お世辞にも格好いいと言い難いような部屋が、非常に高得点だったりしたのが印象的だった。
で、それから20年以上の日々が過ぎて、CDラジカセとかもらい物のシステムをその場しのぎで使い回して過ごしてきたのですが、いざ、自分用にちゃんとしたスピーカーを(中古だけど)購入しようとした時「やっぱりコンクリートブロックを買ってこなくっちゃだめかなぁ」と思った。三つ子の魂への洗脳は恐ろしい。
しかし、そこはネット世代。調べてみると、今はコンクリートブロックではなく、もっと密度の高い大理石を使うのが主流だという。
で、思い出したのが近所の住宅の解体跡の空き地に、廃棄された大理石落ちていたなぁと。その翌日の仕事帰り、午前0時近い小雨降る中、泥つき取れたて一個20kg以上の石の塊を持って歩いて2往復しましたよその空き地まで。職務質問受けなくてよかった。