銭湯のルール

一日寝ていると、無性にどこか行きたくなって、1年半ぶりに最寄りの公衆浴場に出かけた。
言うまでもなく、銭湯という場は、マナーと公共性のルールに満ちている場である。
自分は、自宅の風呂ではいつも本を読んでいる。というか、湯船で本を読まないと、なんだかものたりない気持ちになる。
幸いな事に、自宅近所の銭湯は、露天風呂スペースがある。ので、浴槽の中に足だけつけて、隠れて宇能鴻一郎氏のエッセイ集「味な旅 舌の旅」文庫本を読む。と、隣の初老の男が不思議な顔をしてこちらを見ているので、15分ほどで撤退。
いつも迷うのだが、湯船で本を読むという行為は、やはり禁じ手なのだろうか?
それとも、この宇能鴻一郎という作家名が、なにか別の反応を彼の脳裏に呼び覚ましてしまったのだろうか?