クリ

今でも、インドの露天などでスパイスミルクティーであるチャイなど注文すると、素焼きの器(クリと現地で呼ばれる)で供される。また、ポテトの揚げ物やスイーツなども、木の葉を熱でプレスした使い捨ての皿で供される事が多い。
この葉っぱの皿に旅情を関して、スーツケースの奥に押し込んだことがあるが、半年もせずにボロボロになっていた。
なかなか風情があるし、いいもんだけど、インド国内でも次第に過去の遺物となりつつあるらしく、都市部や空港などではプラスチック製のカップがほとんどだ。とはいえ、環境汚染などの観点からシッキムなどの路上で「プラスチック製のパッケージ不買」を勧めるポスターやペンキのスローガンなど見たこともあるし、インド人に聞いてみると、やはり公害などの理由から素焼きや木の葉の器が見なおされているらしい。微妙な過渡期なんだろうな。
南インドではバナナの葉がお皿となるが、日本の万葉集にも、旅の最中に「椎の葉っぱ」を食器にしてご飯を食べる記述があるし、ある程度、万国に共通することなんだろう。磁器や陶器の本場である中国だって、笹の皮でくるんだチマキがあるし。