何の守り人?

HelloTaro2007-12-16

上橋菜穂子さんが10年かけて紡いだ「守り人シリーズ」の物語、一気に10巻読んでしまった。
これはすごい。
最初の物語である「精霊の守り人 」はあまり期待せずに手に取った。次の「闇の守り人」は、はじめから終わりまで一気に駆け抜けて、気がついたら深い慟哭のような感情と一緒に3時間ぐらいボーっとしていた。そのまま残りを図書館で借りて、1晩2〜3冊ペースでページをめくり、あっという間に終わった。
物語の中の、闇や陰謀が渦巻く世界は、基本的に寓話であるがゆえに、逆に人間心理の奥をのぞき込むような、非常に深いリアリティーと痛みを持つ。そして、登場人物たちはそれでも意志と勇気と心の強さ、そして他者への優しさを持つことで、単純な善や悪で割り切れないような、非情な運命を身体を張って前に進む。