上野から失礼します

HelloTaro2004-12-05


 上野の国立西洋美術館マティス展に45分並んで入館し、25分で出た。
 改装後の西洋美術館に入ったのはこれが初めて。まず最初に上着をロッカーに入れよう思ったが、企画展の行列は長時間屋外に並ばされることを知って諦めた。企画展の展示に来ている観客は、自己責任の上、自分の上着や荷物を持てという施設からのメッセージだろう。また、拡張された常設展示室の動線設計が、以前と反対の方向に順路が進んでいるが理由がわからない。本来の施設の自然な道順を無視した並びで、ロッカーや喫茶室などの施設が知っている人だけのオプションとなっている。入口周辺の混雑を避けることが理由ならわかるが、新しく作られたミュージアムショップは常設展示室入口と隣接、わざわざ混雑を助長しているのでは? マティスには罪はないし、ほとんどの作品は学生時代、10数年前の回顧展で観たものだったので諦めも早かった。招待券だったし(じゃあ、文句いうなって)。
 徒労感におそわれたので帰ろうかとも思うが、せっかくなので半年ぶりに東京国立博物館に行く。
 やった。すばらしい。ひろい。
 東洋館なんて1フロアに1〜3名ぐらいしか観客がいない。フラッシュ使用しなければ撮影も自由!! フィルムだと暗い博物館での撮影はチャレンジだが、デジカメだとその場で手ぶれやカラーバランスを確認できるのでバシャバシャ撮りまくる。
 しかし雑誌「和楽」先月号の特集記事でなんとなく知っていたけど、東京国立博物館・本館のリニューアルはすごい。日本の美術・工芸などの立体版大辞典になっている。解説など、ちょっと編集されすぎていて物足りないぐらいわかりやすい。
 自分が東京国立博物館に自発的に通いはじめたのは高校生の時だったけど、当時、国宝や重文を含めて、展示品の解説プレートの多くは、色あせてところどころシミができた手書き文字で、時には読めないこともありました。もう雲泥の差です。とにかく、外国人旅行者だけでなく、ニッポンの正しいヒマ人と趣味人は、騙されたと思って是非一度訪問してほしいっす。建物観るだけでも入場料の数倍の価値はあります。
 うーん。最初から国立西洋美術館なんて行かなければよかった。もう二度と行くもんかっ、、、えっ、来春、あの光の画家ジョルジョ・ド・ラ・トゥールの大回顧展をするんですか、、、うーん、早急に前言撤回しまする。かたくなになったら、人生つまらん、おしまいですわ。そんで画像は元代・14世紀の松田さんによる「栗鼠図」より、ふわふわしてかわいい中国のリスさん。でした。