Rainy Day Woman #12 & 35

HelloTaro2004-12-28


 まるで雲の中を進んでいるようだ。往路と同じ、あるいは降りしきる雨のため、もっと厳しい状況の帰り道。自分はどこにいるのだろう。まるで白い闇の中をさまよっているようだ。
 視界を失い、日常から切り離された意識は、脈絡のない心をあそばせながら、霧に灰色に染まる景色を眺め続ける。

 うまれつき
 神話を失っている
 私たち
 雨は生理現象として
 無慈悲に降り注ぐ
 天のおしっこ
 ふきだまり
 雲の中を通り抜け
 おおきなものの
 ふところに抱かれているとも知らず
 おびえ
 醒め
 眠る
 雨の中
 からだ
 冷える
 物語を
 濡らして

 無休で約8時間のドライブ後、首都のホテルに戻り、屋根の上に積んであったトランクを開けると、中の衣類は全て濡れていた。口をきくのもおっくうな程、疲れていた。

 (この項続く)