夕凪

HelloTaro2005-04-26

夕凪の街 桜の国」(こうの史代・著)を、渋谷から六本木に向かうバスの中で読む。最初の一章を読了後、手が止まってしまった。前にすすめなくなった。六本木で素敵なパーティーにおじゃましたが、ビートの強い音楽に合わせて、ずっと「夕凪の街」のことを考えていた。なんだか頭が混乱して誰ともまともに会話が出来ない状態のまま帰路につく。都営大江戸線六本木駅のホームの人混みから、自分と同様の酔客や仕事帰りの賃金労働者で満杯の車内で、続きの「桜の国」を立ち読み。読了後、また頭から読み直す。作者がペンのタッチにこめた心のふるえや、細かいセリフの意味を追いかけながら、一字一句一絵一画、ゆっくり丁寧に、受け止める。そしてまたP34で本を閉じる。目をつむる。地下鉄を乗り換えるタイミングで、また冒頭から「夕凪の街」を読み直す。最寄り駅の地下鉄のホームに降り、二宮金次郎みたいに階段を登りながらページをめくり続ける、ちょうど駅を出た場所で第一章×3回目を読了。外の闇空を見上げると、花粉症のせいか、視界がぼんやりにじんでいた。
夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)