1970

 自分は1970年に生まれた。
 なんというか、埋没した世代。
 社会に出たときには既にバブルは終了しており、先輩達には「お前達が入ってきてから景気が悪くなったんだ」と八つ当たりされ、逆に下の世代を見ると、彼らのバブル後のなんだか堅実な(もしくはよりスケールの大きな)感じのメンタリティから、どうにも軽く浮いてしまい、第二次ブーマーの数を背景にしながらも、中途半端なポジショニング。
 オタクをむき出しにすることに羞恥とためらいを感じつつ、教養はサブカル中心。すべての権威が相対化されたポストモダニズム(死語)の洗礼を受けてしまったため、心からなにかを信じることが出来ない。とりあえず価値相対化のニヒリズムを肯定しながら生きるというニーチェ的護符でマインドをプロテクトしながら、目新しいことばかり追いかけるミーハー。ずっと一つの所にいることが出来ずに、過去を封印してばかりいた。