出合い

6月に引っ越した新居は、湘南の東のはずれの、標高100mほどの小高い山の東斜面に位置していた。小さな二階建ての中古住宅で、屋根を多いかぶさるように巨大な木が、家の裏の斜面から屹立しているのが印象的。ちょっと前までgoogle mapの衛星写真では、木に隠れて建物が見えなかったほど(9月ごろに衛星写真がヴァージョンアップしたらしく、輪郭も見えるようになったのですが)。
直径1.2mほどもあり、猿の腰掛け(キノコの一種)をはやしたその木が、シイの木の一種であることはすぐわかったが、種類まで特定する能力は自分になかった。シイの木であれば、周囲にドングリが落ちていても不思議ではないはずなのに、夏まではまったく見当たらなかった。
やがて9月をすぎた頃、寝ていると、屋根の上になにかがコツンコツンと落ち、転がっていく音がきこえだした。