リスと掃除

そよ風が吹くだけで、すざまじい数のドングリが屋根の上を転がっていく夜が続いた10月初旬。
家の西側は、溝のようになっていて、月に1度ほど、掃除しなくてはならない。どんだけドングリを捨てなければならんのかなぁ、などと思いながら掃くと思ったほどの量ではない。ドングリの頭のカラが集まる柄のような部分だけが、大量に落ちている。
そういえば、鳥でもなく、猫でもない、なにかの気配をよく感じる。なにものかが、ドングリを収集しているらしい。
ある朝、ちょっと早めに起きて庭を見ると、口を膨らませたようなリスが駆け抜けていった。耳が小さい、地味なやつ。
タイワンリスさんだった。
「よかったよかった、こいつらのおかげで、掃除の手間がはぶけたわい」(誰じゃ?)
それから、2〜3日に1回は、リスと出会う日々が今日まで続いている。