島旅

HelloTaro2005-10-12

あらためて、写真にたよってはいけない風景があることをおもいだした。
東京から約200kmの南海上にある御蔵島と、同じく約190kmにある三宅島。伊豆七島の二つの離島にいってきた。
御蔵島は人口約260人。縄文時代からの遺跡もあり、近世から昭和40年代までは将棋のコマや髪をすくクシを作るための良材であるツゲの産地として知られていた。
島の形状は、おわんをひっくりかえしたような形で、浜がないために、漁業を生業とすることが出来ない。実際、晩秋から春先までは、一つしかない港に定期船がつけないことの方が多い。その特異な形状のために、黒潮で暖められた空気が島の絶壁にぶつかって圧縮されながら上空にかけのぼり、島の山岳地帯まで進むと急速に圧力がゆるまり、その影響で気温がさがって湿った雲が生まれるため非常に雨が多い。そして巨木の宝庫でもある。また近年は野生のイルカ見学ツアーで有名で「春から夏にイルカで稼いで、冬はじっと島を守る」のが、ここ数年間の島の方針らしい。
また、平成12年の噴火で島民が避難し、今年の5月から観光客を受けいれはじめたという三宅島。
現在、観光で島に入る場合もガスマスクの携帯が義務づけられている状態。島にいる間も、数回、村内放送でガスの放出によるマスク着用の案内が流されてた。
地面に手をかざしダウンジングをこころみると、ゆらゆらと地下のエネルギーが、まるで巨大な遠赤外線ストーブの上を歩いているように、はっきりと感じることが出来た。
かつて2週間ほどキャンプを楽しんだ三池港周辺や、島の南部にあたる阿古地区の一部は立ち入り禁止エリアに指定。バスの中から眺める景色は廃墟にも似て、巨大すぎる火山の力をまじまじと感じさせる。
今回の旅は、どちらも入口にあいさつしただけで帰ってきたような、そんな感じで終わったが、逆にまたこれから復興していく三宅島への挨拶として、また島のガイドと一緒でないと立ち入れない御蔵島の山岳地帯や渓流、イルカや海遊びにつながるのアプローチの一歩目のような気もする。弟も元気に働いていて、兄は安心した。
という訳で、写真を貼りたかったのですが、軽量化のために1眼レフとポジフィルムでの撮影だった上、現像したフィルムを会社に忘れてきてしまった。
そして、たとえば夜明けの御蔵島の港に船が到着するときに、海上に二重の巨大な虹が架かって、その中を船が進んでくるような壮大なビジョンや、ルアーにむかってウミガメが突進してきたこと、三宅島のホテルで寝ていると布団の中に野ネズミが入り込んできたようなエピソードは、どれも写真にはうまく写らない種類の経験だった。
上の図は御蔵島で描いたらくがき。